MMAの判定基準(Association of Boxing Commissions and Combative Sports:ABC)

2017年以降、MMAの判定において優先される要素は、次の3つです(優先順位の高い順)。

1.効果的な打撃/グラップリング(Effective Striking/Grappling)
2.効果的な積極性(Effective Aggressiveness)
3.ファイティング・エリア・コントロール(Fighting Area Control)

「効果的な打撃/グラップリング」が各ラウンドの評価において第一に優先されます。「効果的な積極性」は、「効果的な打撃/グラップリング」が同等な場合の評価に用いられ、「ファイティング・エリア・コントロール」は、上の2つが同等である場合に限り考慮されます。

「効果的な打撃/グラップリング」は、試合の決着に向かう影響力(インパクト:impact)が評価されます。打撃の数の累積よりも、試合の決着に向かう影響力の大きさが優先されます。グラップリングにおいても同様に、ポジションの上下よりも、攻防の結果的な影響力の大きさの方が重視されます。

「効果的な積極性(aggressiveness)」は、試合の決着を積極的にねらうことを意味します(効果的な結果が見込めない、ただ相手を追うような行為は「効果的な積極性」とは言えません)。「ファイティング・エリア・コントロール」は、どちらの競技者が試合のペース、場所、ポジションを支配していたかを判断することによって評価されます。

ちなみに、2016年以前の判定基準における優先順位は、
1.「効果的な打撃」、2.「効果的なグラップリング」、3.「エリア・コントロール」、4.「効果的な積極性」、5.「効果的なディフェンス」でした。今後も採点基準が変わる可能性がありますし、現在の基準における見方あるいは解釈も変わっていくかもしれません。

なお、ルール上は上述の基準によって判定されますが、実際の判定結果にどのような要素が関係しているのかは、JMOCコラム(6月27日)「従来から考えられてきたほどにはテイクダウンは勝つために重要ではない」で簡単に触れましたのでご参照ください。

コラム「従来から考えられてきたほどにはテイクダウンは勝つために重要ではない」