後頭部打撃の反則に対する厳格かつ的確な対応(大塚隆史 vs. 獅庵:6月27日・RIZIN.29)

第1ラウンドの終盤(残り20秒)、大塚選手はバックポジションから獅庵選手の頭部に打撃を打ち、TKO目前の大きなチャンスを作ります。しかし、頭部への打撃の数発が獅庵選手の後頭部に当たっていました(映像6分25秒あたりから)。TKOやSub(TO)が期待される場面で、ラウンド終了までの残り時間もわずかでしたが、レフェリーは、試合を停止したうえで大塚選手に注意を与え、試合をスタートポジションからリスタートしました。
映像の角度からは反則打撃が見えにくいのですが、大塚選手の打撃は獅庵選手の後頭部に2・3発続けて明確にヒットしていました。その後も攻撃が続いていれば、正常かつフェアな状態で攻防が行われていたとはいえず、もし、TKOやSub(TO)に至ったとしたら、それは反則のダメージに乗じた結果と見なされ、試合結果にも疑念が生じるおそれがあります。
目立たないシーンですが、反則を見逃さず、結果への重大な影響を瞬時に判断し、的確にペナルティを課したレフェリーのファインジャッジでした。この対処は、今後のレフェリングにおける重要なモデルケースのひとつになると思います。