Kansas to experiment with option for ‘real-time’ scoring in MMA fights.

3月1日から、KAC(カンザス州アスレチック・コミッション)がMMAの試合で「リアルタイム」スコアリング(いわゆるオープンスコアリング)の実験を行います。

そのことを取材したESPNの記事の概要を紹介します。

多くのMMAの試合では、スコアは試合終了時にのみ読み上げられますが、リアルタイム・スコアリングでは、各ラウンドの後、スコアが公開されます。3月6日にカンザスシティで行われるInvicta FCがカンザスでリアルタイム・スコアを使用する最初のプロモーションになります。

オープンスコアリングは、格闘スポーツにおいては新しいアイデアではありません。ボクシングでは、WBCが4・8ラウンドの後にスコアを公開します。Glory Kickboxingもオープンスコアリングを実施しています〔日本のパンクラスでも採用〕。

KACの新しいポリシーの背後にあるのは、選手がスコアを知っている場合に、試合がどのような影響を受けるかを確認しようという考えです。格闘技以外のスポーツでは、すべてのプレーヤーとチームが常にスコアを知っています。

KACのルーバック委員は次のように言います。
「私は格闘スポーツ界の外から来ました。けれども、私は生涯にわたってスポーツのファンです。ファイターとファンが最後までスコアをわからない理由をこれまで不思議に思ってきました。誰も私にその理由について良い説明をしてくれませんでした。」

ヒューストンで土曜日の夜に行われたUFC 247でのジョン・ジョーンズとドミニク・レイエスのライトヘビー級タイトル戦の後、ジャッジのスコア(48-47、48-47、49-46)が妥当かどうかが議論されています。ジョーンズはポイントが僅差のユナニマス・デシジョン(3-0)でタイトルを防衛しましたが、レイエス本人とUFCのダナ・ホワイト会長、その他多くの人々は、レイエスが勝ったと思っています。レイエスは、あるショーで、最後の決定に驚かされるよりも、リアルタイムでスコアを知る方が絶対に良いと述べました。

リアルタイムスコアリングの欠点としては、選手がスコアをリードしていることを知っている場合、判定勝ちを得るためにもっぱらディフェンシブになる可能性があることが挙げられます。

UFCはカンザスで大会を頻繁には開催しません。大規模なUFCイベントの多くがラスベガスで開催されますが、ネバダ州アスレチックコミッション(NSAC)のエグゼクティブディレクターであるボブ・ベネットは、現在オープンスコアを支持していません。WBCがかつてオープンスコアをNSACに提案しましたが、NSACはそれを受け入れませんでした。

ベネットは、コミッションがオープンスコアに抵抗する理由について、試合中の選手、ジャッジ、レフリーのパフォーマンスへの影響を挙げます。また何より、あらゆる種類のルール変更はABCを通じて行われるべきである、と話します。

ABCのMMA規則委員会の委員長であるショーン・ウィーロックはカンザス・コミッションに所属し、リアルタイムのスコアリング実験に参画していますが、まだ規則委員会にはオープンスコアのアイデアを持ち込んでいないと述べました。

カリフォルニア州アスレチック・コミッション(CSAC)の執行役員アンディ・フォスターは、カンザス州がどうなるのか興味をもっていますが、現時点ではリアルタイム・スコアに賛成していません。

KACは、2016年、イベント前日における朝の計量を実施した最初のコミッションです。それまで計量は午後に行われていましたが、朝の計量は現在どこでも行われています。

ベネットとフォスターは、オープンスコアリングのもう一つの潜在的な問題点として、選手が自分がリードしていることを知っている場合、試合の後半で偶然の反則で試合が停止した後、その後、試合を継続しない可能性が高いと考えています。選手がそのような状況で試合を続行できない場合、試合はテクニカル判定となります。

フォスターは、今年の終わりまでにできるルール変更は、すべてのコミッションが任用できる優先ジャッジと優先レフェリー(preferred judges and referees)のリストの作成である、としています。各コミッションは時折、最も経験のある審判員ではなく、地元の審判員を使いたがるからです。

「可能な限り最良の審判員を使用する必要があります」とフォスターは語ります。「試合を得点化するのは主観的ですが、ハイレベルのMMAイベントにはハイレベルのMMA審判員の割り当てが必要です。UFCとBellatorのアンダーカードの選手でさえ非常にハイレベルな総合格闘家であり、そこには非常に高いレベルの審判員を配しています。」

UFC 247では、ジョー・ソリスがジョーンズvs.レイエスのメインイベントのジャッジとして配置されましたが、MMADecisions.comによると、彼はここ3年以上UFCの試合でジャッジをしていませんでした。ソリスは49-46(ジョーンズ)のスコアをつけ、レイエスには1ラウンドを与えたのみでした。

>>>Kansas to experiment with option for ‘real-time’ scoring in MMA fights|ESPN