カリフォルニア州の新ルール:選手が試合当日に契約体重を15%以上上回る場合は試合をキャンセル

カリフォルニア州アスレチックコミッション(CSAC)は、試合当日に選手の体重が契約体重の15%を超えた場合には試合をキャンセルするルールを制定しました。

ルールの背後には、前日計量までの極端な水抜き(脱水)と当日の極端な体重増加が繰り返される現状があります。MMAファイターが計量から試合からまでに体重を8%から18%増やすことは珍しくありません(ボクシングでは極端な減量がそれほど顕著ではありません)。また、この新しいルールには、競技者間に極端な体重差のある試合を防ぐ目的もあります。

CSACの役員アンディ・フォスター「これは健康と安全の問題です。」「不正行為が認められてきたのです。」と述べます。新しいCSACのルールでは、例えば、ウェルター級の選手(リミット171ポンド:77.6kg)が試合当日に195.4ポンド(88.6kg)以上になった場合、試合は行われません。バンタム級の選手(リミット136ポンド:61.7kg)が試合日に155.2ポンド(70.4kg)以上だった場合、試合はキャンセルされます。

CSACのデータによると、2019年1月から10月にかけて、MMA 285試合のうち28試合で選手が試合当日に契約重量を15%以上上回っていました(ボクシングでは、570試合のうち9試合のみです。MMA、ボクシング、キックボクシングの計873試合では合計40試合でした)。

今年の8月にカリフォルニア州アナハイムで開催されたUFC 241がこの新しいルールの下で行われていたならば、3試合が中止されることになります。ソディク・ユサフ、マニー・ベルムデス、サビーナ・マゾは、試合当日、15%以上増量しました。

7月のUFCサクラメントでは、メインイベントがキャンセルされます。ジャーメイン・ド・ランダミーと戦ったアスペン・ラッドは、体重を18%リカバーしました(ラッドは試合の前日は135ポンド(61.2kg)でしたが、試合当日には159ポンド(72.1kg)まで増量しました。

カリフォルニア州の立法プロセスを経て、新しいルールが施行されるまで約1年が予定されています。

この新しいルールに対する批判としては、選手によって体が異なるということ、また、選手が脱水から完全に回復することを妨げる可能性、あるいは、体重をいったん増やした後にさらに増量する可能性があることです。さらには、一部の選手は、試合の数時間前に別の減量を行う可能性もあります。これは、コミッションが規制しようとすることよりも危険です。そのことをフォスターも心配します。

しかし、フォスターは、目的は選手を自然な体重に近づけることだと言います。試合がキャンセルされるというリスクが契約体重階級で試合をするには大きすぎる選手に試合をさせる関係者への抑止力になるだろうと述べます。

フォスターは、プロモーターたちに体重階級に厳格になるよりは、キャッチウェイトにもっとオープンになることを提唱します。CSACは、2016年以来、極端な減量の抑制に積極的に取り組んでいます。その一つとして、従来のように午後に計量を行うのではなく、試合前日の朝に行うようになりました。このアイデアは、選手に水分補給とリカバリーの時間を増やしました(朝の計量は、現在、世界中のMMAで採用されています)。

2016年の別のCSACルールでは、試合当日に契約体重を10%以上上回った選手に対し、コミッションは上の階級への移動を推奨することができます。ただ、このルールの問題は、多くの選手、プロモーター、および他のコミッションがそれらの推奨事項を完全に尊重していないことです。

>>>Calif. rule will cancel fight if competitor is over 15% above contracted weight|ESPN