おすすめの一冊。 村上貴聡(2019)『スポーツ審判メンタル強化メソッド』実業之日本社

おすすめの一冊。
村上貴聡(2019)『スポーツ審判メンタル強化メソッド』実業之日本社。

スポーツ審判のメンタルを強化し、審判スキルを高める方法を解説した本。具体的なメンタルトレーニングが紹介されているほか、各スポーツで活躍しているトップレフェリーのみなさんへのインタビュー記事が興味深いです。

サッカーのプロフェッショナルレフェリー西村雄一さんのコメントから

◇審判員をする上で大切にしていること
西村:正直である、ということです。(中略)「事実として何が起きたかを見極めること」。(中略)その確認できた事実に対しては、たとえその判定がどれだけ大きな影響を与えることになろうとも、正直に見たままを貫かなければいけません。(33頁)

◇グループディスカッションについて
西村:稀にあることですが、そのディスカッションの映像を頭に入れて、似たようなことが起きたときに頭の中を検索して探し出し、「前にもあった、これだ」と思って当てはめるようなレフェリングではうまくいきません。そうではなく、レフェリーに求められているのは、その事象を見極めるコンセプトに基づいて、自分で結果を導き出すことです。そこに気づくか気づかないかで、レフェリングも大きく変わってくると思います。(50-51頁)

◇いいレフェリング、悪いレフェリング
西村:試合終了後に両チームの選手が気持ちよく結果を受け入れてくれることです。そこにレフェリーの存在はなくていいと思っています。勝敗にレフェリーはいりません。そうして、また次の試合に向かってもらう。これが究極のレフェリングですね。(54頁)

MMA審判にとってもたいへん参考になる本だと思います。

実業之日本社:スポーツ審判メンタル強化メソッド