What it takes to be an MMA referee(MMAレフリーになるには)

ESPNのArash Markazi記者がMMAレフェリー講習を体験レポートした記事です。講習は、ジョン・マッカーシー氏が主宰するCOMMAND (Certification of Officials for Mixed Martial Arts National Development)の3日間。場所はランディ・クートアー氏のジム‘Xtreme Couture’。受講者は30人。講師・アシスタント陣は、マッカーシー氏のほか、RIZINでもおなじみ、米国MMAトップ・レフェリーのジェイソン・ハーゾグ氏、元MMA選手ジェリン・バレル氏、長いひげで有名なマイク・ベルトラン氏(彼もマッカーシーの生徒でした)、マイク・ベル氏、そして、マーク・ゴダード氏。

講師陣のコメントを中心に記事の概要を紹介します。

冒頭のコメント(マッカーシー氏)
「私は選手たちに責任を負っています。選手たちがしていることを知らない人間をケージに入れることはできません。」「あなたたちの仕事は選手を守ることです。」

技術講習(サイドコントロールの指導:ハーゾグ氏)
「もしあなたが現場にいて、ポジションの基本、あるいは選手が何をしているのかを知らず、問題が起きていているのか、いないのか、さらに重要なのは選手たちがその状況で何をしなければならないのかを理解できないなら、あなたは選手に対して何もできないし、あなた自身にも何もできないでしょう。選手たちがそこで何をしているのかを最低限理解できなければ、審判員として良い仕事をすることはできません。」

ジャッジング(マッカーシー氏)
「判断している間にメモを書いていたら、闘いを見落とします」
「動作自体は何も意味しません。防御に評価を与えるのではなく、攻撃に評価を与えます。インパクト(影響)があれば得点に価します。動きがコンタクト(接触)を意味するわけではありません。選手がパンチを放ったら? 彼は何を当てましたか? インパクトは何ですか? 誰が最も多くのダメージを与えましたか? それは優越性ですか? ダメージ? それとも支配継続時間ですか?」

「血は色のついた汗です。」「カットは大した問題ではありません。小さなカットは出血を引き起こすことがありますが、それは何も意味しません。」

レフェリーが選手を保護する責任(マッカーシー氏)
「選手のために正しいことをしなさい。ファンをハッピーにするためではありません。選手への思いやりと彼らが経験していることへの思いやりをもつことが審判にとって重要です。彼らをケアすることがあなたの仕事です。」
「誰もがMMAのすべて知ることはできません。見たことも聞いたこともないことが常にありえます。このスポーツは急速に進化しています。あなたは、それと共に進化するか、遅れていくか、どちらかです。」

COMMANDは、唯一のレフェリー認定コースではありませんが、最もポピュラーなコースです。クラスは通常最大20人程度。COMMANDの認定を受けるためには3つの各要素①MMA技術の理解、②MMAのルールとファウルの理解、および前例の適用、③適切なジャッジング(採点が「許容範囲内」かどうか)において90%以上のスコアが必要です。その基準に達するのは受講参加者の4分の1以下です。

Markazi記者は不合格でした。マッカーシー氏が見せた114の技術の名を一定数挙げることができず、すべてのルールとファウルを把握できず、また、実技では、レフェリーとしてケージで適切なポジションを取るのも、ジャッジとして自分のスコアカードを渡すのも少し遅れたらしいです。

クラスに参加している大部分の人たちは、おそらく、UFCのオクタゴン内にいることを夢見ますが、実際には、レフェリーになれても、キャパ数百人の小さなイベントでの仕事がほとんどです。数百ドルでも得られれば幸運です。レフェリーは、各イベントに参加するための費用を自分自身で払うことが多くあります。

審判の報酬についてのマッカーシー氏のコメントです。
「私は審判であることでお金を得ていますが、私はこれを25年間続けているのです。」
「審判をしても金持ちにはなれないでしょう。おそらく最初の10年間は、あなたが得るよりも多くのお金を使うでしょう」。

お金のためならMMAのレフェリーやジャッジはやらない方が良いでしょう。

What it takes to be an MMA referee