「Will MMA ever be an Olympic sport?:MMAはオリンピックスポーツにまだなるのだろうか?」
先月(2月)、IMMAFとWMMAAが、各国際スポーツ連盟を包括する団体であるGAISF(Global Association of International Sports Federations)のオブザーバー(フルメンバーになるための暫定的地位)になるための申請を却下されました。GAISFのフルメンバーシップの獲得はオリンピック種目になるための前提条件でもあります。
イギリスの新聞「ザ・ガーディアン」がこの申請却下について記事を掲載していましたので、その要約を紹介します。
Will MMA ever be an Olympic sport?
MMAはオリンピックスポーツにまだなるのだろうか?
GAISFは、MMAが最も古いスポーツの1つとして知られており、古代オリンピックから「パンクラチオン」として人気を博してきたが、GAISFのフルメンバーシップに通じる2年間の暫定的なオブザーバーの地位をMMAの国際的機関(IMMAFとWMMAA)には付与しないことを決めた。この決定にIMMAFのホワイト氏は困惑を示す。
IMMAFは、MMA最大のプロモーションであるUFCのサポートを受けて2012年に設立された。世界選手権は2014年に始まった。昨年、IMMAF-WMMAAは18歳から20歳までの競技者のための最初のジュニア選手権を開催し、2019年、12歳から17歳までの競技者のためのカデット競技を導入した。
GAISFによって承認されている他の国際スポーツ連盟と同様に、IMMAF-WMMAAは、参加者の健康と安全に関わるルールの標準化、公認レフリーおよびジャッジの質の向上、コーチ資格の開発、選手ランキングの作成、そして最終的には、プロのランクにおいても評価される(アマチュア)世界チャンピオンやオリンピック選手の育成を目的としている。
フランスとノルウェーではMMAが全国的に禁止されている。アイルランドでは昨年の死亡事故からMMA禁止の議論がなされている。なぜGAISFの承認が重要なのか。「それがなければ、アマチュアMMAの世界的統制は『歯のないライオン』によって引き続き管理され続けることになるからです」とホワイト氏は言う。
GAISF加盟の最大のハードルは、国内オリンピック委員会またはその国の最上位にあるスポーツ機関のいずれかによる各国内レベルでの承認である。IMMAF-WMMAAは、85の加盟のうち35がこの方法で承認されていると主張する(フルメンバーシップに申請するには、少なくとも40が必要)。オブザーバーの地位を得るための敷居はそれほど高くはなく、申請者は、優れたガバナンスの例(例:監査された会計、総会議事録、選挙に関する情報、理事のジェンダーバランス、青少年育成等)を示し、既存のGAISFメンバーと対立しないことを証明する。
GAISFが承認した6つの格闘スポーツは、2020年東京オリンピックで実施される予定であり、オリンピックの収益の一部を受け取る資格がある(IOCは、2016年のリオ大会中に盛況だったIFに540万ドルを分配した)。
IMMAF-WMMAAによると、これまでのところGAISFの武術や格闘スポーツの連盟(合気道、ボクシング、フェンシング、柔道、柔術、空手、剣道、キックボクシング、ムエタイ、パンクラチオン、サンボ、サバテ、相撲、テコンドー、レスリング、武術(ウーシュウ))はMMAに対して表立って対立的な行動をとっていないが、ホワイト氏は、舞台裏でいくつかの連盟が対立的言動をしている可能性があると述べる。
「GAISFが注意を引いた唯一の対立は、私たち自身(IMMAF)とWMMAAの間のものでした。」「これを解決せずに私達がメンバーになることはできないと言われました」(ホワイト氏)。今年11月、バーレーンでIMMAFとWMMAAの合同世界選手権が開催される予定。同時に4年に一度の通常総会が開催される予定である。
GAISF内の批判者は、MMAと他の格闘スポーツとを差別する要因であり、MMAの暴力的要素であるパウンドをなくすことでGAISF承認への道を切り開くことができるだろうと話す。しかし、ホワイト氏はその提案を「罠」と呼ぶ。もしIMMAF-WMMAAがこの提案に応じれば、MMA内部に対立的な議論をもたらし、あらゆる格闘スポーツに含まれる技術に根ざしたユニークなMMAの格闘技スタイルを実質的に変貌させてしまう。
「MMAが急速に成長していることへの恐れがあると思う。」「彼らは、MMAがオリンピック大会への彼らの参入を妨げるかもしれないことも懸念しているのではないか。彼らのスポーツも(オリンピック種目化に)何年も待っているわけだから。MMA人気があまりにも高まり、MMAが認知され、オリンピックに向けて自分たちの前に飛び出す危険性を懸念しているのでは。」
1990年代半ばから後半にかけて、アメリカにおけるMMAが政治的勢力に脅かされていた状況にも似ている。多くの人の興味を引いているこのスポーツについて、道徳的な疑念は何もないことを、中傷者に向けて反論している状況である。