ユニファイド・ルールにおけるレフェリーの権限と日本のシステム

「2.レフェリーは、試合における唯一の裁定者であり、競技を止めることを認められたただ一人の人間である。このことは、明らかなルール違反を主張する抗議が提起された場合に、管理機関の手続に基づいて、映像や他の方法で裁定を検証することを妨げるものではない。」

“2.The referee is the sole arbiter of a bout and is the only individual authorized to stop a contest. This shall not preclude a video or other review of a decision under the procedure of the applicable regulatory authority if a protest is filed claiming a clear rule violation.”

レフェリーは試合における裁定者です。中立であるレフェリーが他者の判断や行動に影響されることなく、公平に判断することが期待されています。

しかし、1人のレフェリーだけに判断を委ねると、例えばレフェリーストップの判断を誤った場合など、その判断ミスが重大な事故につながりかねません。

日本の多くのMMAプロモーションにおいては、レフェリーの判断を補完するため、サブレフェリーが自らの責任においてストップを進言・宣告することができます(例えば、RIZINではバトンを投げ入れる。パンクラス等ではホイッスルを吹く。米国ではサブレフェリーの制度はあまりみられません)。

また、セコンドも、定められた方法(例えば、バトンやタオルを投げ入れる)により、試合放棄あるいはギブアップの意思を表示することができます。

高い危険を内在するMMAというスポーツにおいて重大な事故を防ぐためには、複数の目から危険を検知する国内の現行諸システムの方がより望ましいと考えられます。

【参考記事・映像】戦意喪失から30発以上も…衝撃の“遅すぎるKO判定”の実際の一部始終(THE ANSWER編集部)