WBCライトヘビー級王座戦から考えるレフェリーのポジショニング

プロボクシングWBC世界ライトヘビー級王座戦、王者アドニス・スティーブンソン対挑戦者オレクサンデル・グボジアク。王者はフィニッシュの場面で挑戦者の連打を浴びKO負け。試合後、外傷性脳損傷のため外科手術を受けました。
レフェリーを務めたマイケル・グリフィン氏はストップのタイミングが適当であったか自問自答を繰り返したそうです。グルフィン氏は次のように述べます。

「サウスポー(スティーブンソン)と右構え(グボジアク)の対戦では、(試合をストップするために)両者の間に割って入るのが難しくなる。スティーブンソンが防御できない状態になったので試合をストップした。この判断に間違いはなかったが、スティーブンソンとグボジアク、そして自分との位置関係の問題で、結果としてストップに入るまで少し待たなければならなかった」

サウスポーとオーソドックスの対戦では、両選手の背後からレフェリーが試合を見なければならないことがあります。この試合でも、両選手の胸が見える側がロープに近かったため、レフェリーは両選手の背中側の位置に立たざるを得なかったのかもしれません。
グルフィン氏のストップの判断に誤りはなかったと思います。それでもやはり、サウスポー対オーソドックスの対戦では、レフェリーはできるだけ両選手の胸側の位置に立つよう心がけたいです。

【参考映像:CBS NEWS】
https://www.youtube.com/watch?v=ty9_Ol2iM-M&t=18s