1つ先のポジショニング

レフェリーの立ち位置は、両選手に対して二等辺三角形の頂点の位置に立つことが原則ですが、その位置が攻防の妨げになってはなりません。例えば、コーナー近くやフェンス際ではその位置に立つことはできません。
また、サークリングが続く攻防、特に動きが速い軽量級の試合では、常に二等辺三角形をキープすることは困難です。その位置が常に望ましいわけでもありません。
そこで、二等辺三角形の頂点よりも、攻防の軸になっている側(あるいは優勢な側)にやや近い位置に立つことを推奨します。その利点は次のとおりです。

○サークリングしている選手は左右の動きが大きく、また、急に動きの向きを変えることが比較的多いため、そのような事態において接触を防ぐことができる。
○攻防がコーナーやケージ際に移動する際に、立ち位置を攻防の軌道から外しやすく、より良いポジションに移行することができる。
○レフェリーの移動距離・労力を少なくすることができる。

3つの優先順位(①攻防の妨げにならない位置、②攻防がよく見える位置、③攻防の一歩先を見据えた位置)を心がけていれば自ずと良いポジションに立つことができますが、ノウハウ(「軸にやや近い位置」に立つ)を意識することもレフェリング技術の向上に資すると思います。