反則「頭突き(butting with the head)」 

バッティングは、ローブロー、フェンス掴みと並んで、MMAで最も起きやすい反則の一つです。いかなる方法であれ、打撃の手段として頭部を用いることは禁じられています(頭部を相手に押しあてること、あるいは頭を使って押すことは禁止されていません)。相手の頭部・顔面に対する頭突きのみならず、ボディに対する頭突きも禁止です。また、頭部のどの部分を用いても反則となります。後頭部を使っての頭突きももちろん反則です。
バッティングは、スタンドの打撃の攻防において起こりやすい反則です。その多くは偶発的なものですが、試合に影響を与えるようなダメージを残すことが多くあります。レフェリーは、パンチが交錯する状況などにおいて特に注意を払わなければいけません。

2017年12月31日RIZINにおける堀口選手vsケイプ選手の試合では、堀口選手がバッティングにより意識が飛んで倒れましたが、梅木良則レフェリーがバッティングを瞬時に見極め、すかさず両者の間に割って入り、ケイプ選手の追撃を許さない場面がありました。もしバッティングを見逃すか、止めるタイミングが遅ければ追撃を受けて大きなダメージを受けていたかもしれません。それほど重大な場面におけるプロの判断でした。