MMAユニファイドルール(2017年版)における「反則」

日本ではMMAプロモーションごとにルールが定められています。各ルールに列挙されている反則の数も異なります(修斗:33、パンクラス:32、DEEP:20、ZST:28。各HPから)。各ルールにおいてユニファイドルールの影響が見受けられますが、それぞれの経験が活かされ、わかりやすくするための工夫もされていて、ユニファイドルールとまったく同じではありません。

ABC(The Association of Boxing Commissions and Combative Sports)のユニファイドルール(2017年改正)における反則は、下に掲げるとおり、27個です。

2017年MMAユニファイドルールにおける「反則」
(2017 Unified Rules of MMA “FOULS”)

1.頭突き
2.目つぶし
3.噛みつき、相手に唾を吐く
4.フィッシュフッキング(fish Hooking)
5.髪を引っ張る
6.相手の頭または首をキャンバスに突き刺す(パイルドライバー)
7.脊椎や後頭部への打撃攻撃(脊椎は尾てい骨を含む)
8.喉への打撃、気管をつかむ
9.広げた指を相手の顔や目に向ける
10.下方向に向けて打ち降ろす肘打ち(12時から6時の肘打ち)
11.股間へのあらゆる攻撃
12.グラウンドポジションの相手の頭部への膝蹴り/キック
13.グラウンドポジションの競技者への踏みつけ
14.相手のショーツやグローブをつかむ
15.フェンスやロープをつかむ
16.小さな関節への巧みな操作による攻撃(small joint manipulation)
17.リングやケージの外に相手を投げる
18.相手の開口部や裂傷部に故意に指を入れる
19.皮膚をつかむ、つまむ、ひねる
20.消極的な行為〔臆病〕(例:接触を避ける、マウスピースを何度も落とす、けがのふりをする)
21.競技場内において汚い言葉を吐く
22.レフェリーの指示を著しく無視する
23.相手競技者の負傷の原因となるようなあらゆる非スポーツマン的な行動
24.試合・ラウンド終了の合図が鳴ったあとの相手への攻撃
25.ブレイク中の相手への攻撃
26.レフェリーの保護のもとにある相手への攻撃
27.コーナーマン(セコンド)の介入

2017年の改正においては、「広げた指を相手の顔や目に向ける」が新たに反則リストに追加されました。逆にそれまで反則とされていた「踵による腎臓への蹴り」と「鎖骨をつかむ」が反則規定から除外されました。また、相手への打撃攻撃が制限されるグラウンドポジションの定義が変更されました。より良いルール改正のための議論は現在も続いています。