スコア「10-8」とは?

「10-8」は、一方の選手が大差で優勢だった場合に用いるスコアです。

インパクト(impact)、優位性(dominance)、そして支配時間(duration)の3つの要素のうち2つにおいて優勢が顕著であれば(特にインパクトに大きな差があった場合)、「10-8」の可能性を検討します。3つの要素すべてにおける優勢が顕著であるならば、「10-8」とすべきです。また、一方の選手が攻撃的な姿勢をほとんど見せなかった場合も、その選手に9点ではなく、8点を与えることを考えます。

a)インパクト(impact):他の2つの要素が欠けていても、一方の選手がそのラウンドで試合の決着に近づく非常に大きなインパクトを与えた場合は「10-8」を検討します。

b)優位性(dominance):MMAは積極性がベースにある競技です。打撃の攻防で劣勢の選手が防戦一方となり、カウンターや反応ができないときなどは、顕著な優位性があると評価すべきです。グラップリングにおける優位性は、優位なポジションを取り、そのポジションから試合を決着させるようなサブミッション等の攻撃に導いた場合に見出されます。単に優位なポジションを保持しているだけでは、「10-8」の要素とはなりません。選手がそのポジションで何をするのかによって評価してください。

c)支配時間(duration):支配時間は、一方の選手が相手を効果的に攻撃し、他方、相手がほとんど攻撃的な姿勢を見せられなかった状態が継続した時間によって評価してください。

なお、米国のジャッジの間では、「インパクト=ダメージ」ととらえて、上の3つの要素(damage(= impact), dominance, duration)を「3D」と呼ぶことがあります。