12to6エルボー(縦肘:反則)に対するレフェリーの処置

UFC on FOX 30(7月28日)で行われたAlvarez vs Poirierにおいて、12to6エルボー(縦肘:反則)に対するレフェリーの処置が議論を呼びました。その試合の2R、決着の直前までAlvarezはPoirierの背をケージに押し付けた状態でマウントにとらえていました。

しかしAlvarezがPoirierの肩に12to6エルボーを打ったところでレフェリーのMarc GoddardはAlvarezを立たせ、試合をスタンドのニュートラルポジションに戻しました。その直後PoirierがAlvarezを逆転のTKOで破りました。Goddardレフェリーの処置に対し、一部の人たちは、レフェリーがAlvarezを立たせずに警告を与えて、マウントの状態をキープしたまま続行してもよかったのではないか、と疑問を持っています。

そのような疑問に対して、著名なレフェリーであるHerb Deanがコメントしました。彼は、「レフェリーにはいくつかの選択肢がある」と述べます。反則によって、誰かが有利になったり、誰かがダメージを負った場合、レフェリーがなすべきことは、それらのバランスを取ることである、と語ります。

この試合では、Alvarezの肘はPoirierの肩に当たり、攻防への影響はほとんどありませんでした。しかし、GoddardレフェリーがAlvarezを立たせたのは、他の反則の蓄積があったからです。Alvarezは12to6エルボーの前にもフェンスをつかみ、相手の耳をつかむ反則も犯していたので、レフェリーは、Alvarezに有利だったポジションを解除しました。

コメントをしたHerb Deanは「レフェリーは、目の前の状況に基づいて解決策を選択する余地がある。」「このような状況では、確実で、すぐに適用できるルールはない。」「レフェリーがどのようにルールを執行するのか、いくつもの経緯がある。」「それぞれの試合にはそれぞれの状況があり、審判の裁量を信頼しなければならない」と述べます。

なお、Herb Dean自身は、当該試合の状況ではスタンドに戻すべきだったとは考えていません。しかし、その場の判断は、その場の状況に応じて、現場のレフェリーがやるべきことなのです。

〔映像参照:UFC FIGHT PASS〕
https://www.ufc.tv/video/ufc-calgary-2018
Fight Card: Eddie Alvarez vs Dustin Poirier
12to6エルボーの場面は2ラウンド残り1分50秒頃。

MMA FIGHTING
Herb Dean breaks down referee protocol for 12-to-6 elbows in light of UFC on FOX 30 situation